2017年03月31日
第十回、唐津市探訪<最終回>
~鳴滝酒造~曳山展示場~天狗茶屋~

〔 唐津の名水で醸される 地元の酒 〕

「聚楽太閤」
唐津っ子にとっての「地酒」といえば、「聚楽太閤」(じゅらくたいこう)の銘柄を持つ鳴滝酒造の酒のこと。
唐津くんちの時には、「太閤」を提げて家を訪問し、酌み交わす。
45年以上もの長きに渡り続いている「太閤会」という酒の会からも、地元愛にあふれる唐津っ子の想いが伝わってくる。
酒蔵のあるこの辺りは、水がきれいなことで知られており、「御茶ノ水」(お茶に使うきれいな湧き水)と呼ばれていたそう。
やわらかくて清らかな水で、旨みのある優しい酒を醸す。

県外への出荷は純米酒系が多いが、地元のお客さんは、普通酒びいきの人が多いという。
だからこそ
「町の人が育ててくれた味は守っていきたい。唐津の酒として愛飲してもらうことが文化の継承にもつながる」
と古館社長は言う。

自らも唐津くんちの時には頭がくんちでいっぱいになるほどの唐津っ子だから、地元に愛される酒は、これからもずっと続いていくことだろう。
〔 くんちがあるけん唐津ったい! 〕

唐津神社の秋の神事「唐津くんち」は、唐津もんの血が騒ぐ地域あげての祭り。
11月3日~4日の2日間は、会社も休んでくんちにどっぷりハマる人、県外に出てしまっている人でも、盆正月は帰省しなくてもくんちの時だけは里帰りするという唐津っ子たちが、町を熱く熱く盛り上げる。
なかなか祭りを生で見に行けない人には、13台の曳山が一堂に展示された「曳山展示場」の見学をおすすめする。

一番古いもので江戸時代から補修を重ねて守り継がれてきた各町の大事な「曳山」。
向かいあうように展示されている曳山の他、曳山の歴史や祭りの概要がわかる映像が上映されている。



本番の唐津くんちに行けなかった人は、「曳山展示場」で唐津らしさを肌で感じてみよう。
唐津駅前のアーケード内には、かの有名な「川島豆腐店」もあり、朝食、夕食で名物のざる豆腐を堪能できる。

売店もあるので、唐津にきた証に購入するのもいい。
店の前のベンチに腰掛けて、あったかい豆乳を飲んだ。

濃厚で大豆の味がしっかりとする豆乳のおかげで、飲酒前に胃に膜張りができた気分♪
お菓子屋の老舗では、唐津くんちの瓦せんべいをゲット!
10㎝×20㎝くらいの縦長サイズというのも珍しいが、くんちの各町の曳山の絵が焼いてあるので、お土産にはもってこい。
そろそろ、お店に行くとしよう。

今回の店選びは、唐津の酒が飲める店をテーマに色々と情報を集めてみた。
ほどよい予算でお酒と地元の食が楽しめる店として、複数の人から名前が挙がった店を訪ねることに決めた。
天狗茶屋である。

アーケードを出て、1分くらいのところにあるので、分かりやすい。
シゲル:曳山展示場で曳山ば見たぎ、やっぱい本番にも行きとうなってきたよ。
みずえ:さっき、鳴滝酒造の古館社長が「くんちの時に遊びにおいで」って言いよんさったけん、今年は、くんちを見に行こうか?
シゲル:町の人達の勢いの伝わってくるやろうね。ここらへんはみんな「太閤」やけんね。
みずえ:地元に馴染んでいるから、他のお酒は対抗できませんね?
しょうもない話をしているうちに、店の前に着いた。
看板に描かれた天狗の高い鼻は丸みがあり、親しみがもてる。
店に入ると、掘り炬燵式の個室に案内してもらった。
空腹もピークに達していたので、早速メニューを開き、何を頼むか思案する。

唐津に来たと実感できるようなものがいいと、
川島豆腐のざる豆腐、

藤川蒲鉾の 魚ロッケ、

くじらの竜田揚げ

を注文した。
そして、刺身もネ。

酒肴には、唐津の日本酒ということで、唐津2蔵の酒を探す。
「万齢 特別純米」と「瀧 特別純米」がメニューに載っている。

唐津の酒はこれで揃った。
ほろよいセットなるものがあり、日本酒3種を飲み比べできるセットがあったので、唐津の酒に他の佐賀酒もプラスして、注文した。

酒肴がテーブルに揃っていく。

日本酒が入った器からは、液体がどんどん減っていくと同時に、いい心地になっていく。
いつもの幸せの図式だ。


川島豆腐店のざる豆腐や藤川蒲鉾の魚ロッケは、唐津フードの王道ともいえる食べ物で、観光客はまず押さえておきたいアイテムといえる。
ほろ酔い状態になって、今度は地元の人が愛してやまない味を飲みたくなった。
「太閤 上撰」。

これは熱燗でお願いしよう。
湯気と共に広がる酒の香りに、曳山展示場でみたくんちの映像が脳裏に浮かんできた。
美味しい唐津のお酒と肴を飲むほどに、今宵も酔いが回る。
今夜も最高。
唐津さいこう!
佐賀さいこう!
佐賀県を代表する観光地でもある唐津を探訪したことで、
佐賀酒探訪記は全ての市を巡ることができた。
酒が大好きなシゲルとみずえ。
加えて、食べることも、名所を見ることも大好き。

やはり、その周辺を回ったり、地元の店の美味しい酒肴と酒を一緒に楽しむことが「酒探訪」といえるのではないだろうか。
======
■曳山展示場
唐津市西城内6-33
0955-73-4361
9:00~17:00
休 唐津くんち巡行(11月3日、4日)
12月第1火水曜、12月29日~31日
入場料 300円
駐 あり
■天狗茶屋
唐津市紺屋町1670
0955-74-4955
17:30~23:00(OS22:30)
休 不定休
本日の注文
ほろ酔いセット 734円
魚ロッケ 270円
くじら竜田揚げ 864円
ざる豆腐 410円
本日の刺身盛り、つくね串、鯛茶漬けなど
二人で6230円
■鳴滝酒造
唐津市神田3272-1
0955-74-3125
(了)
唐津市探訪<その1>へ
(執筆:みずえ,挿絵:シゲル)
ご意見や佐賀酒アンバサダーへのメッセージなどお待ちしております。
是非コメント欄にお書き込みください。
読者登録をお願いします。
http://sagasakeambassador.sagafan.jp/blog_subscription.php

〔 唐津の名水で醸される 地元の酒 〕

「聚楽太閤」
唐津っ子にとっての「地酒」といえば、「聚楽太閤」(じゅらくたいこう)の銘柄を持つ鳴滝酒造の酒のこと。
唐津くんちの時には、「太閤」を提げて家を訪問し、酌み交わす。
45年以上もの長きに渡り続いている「太閤会」という酒の会からも、地元愛にあふれる唐津っ子の想いが伝わってくる。
酒蔵のあるこの辺りは、水がきれいなことで知られており、「御茶ノ水」(お茶に使うきれいな湧き水)と呼ばれていたそう。
やわらかくて清らかな水で、旨みのある優しい酒を醸す。
県外への出荷は純米酒系が多いが、地元のお客さんは、普通酒びいきの人が多いという。
だからこそ
「町の人が育ててくれた味は守っていきたい。唐津の酒として愛飲してもらうことが文化の継承にもつながる」
と古館社長は言う。
自らも唐津くんちの時には頭がくんちでいっぱいになるほどの唐津っ子だから、地元に愛される酒は、これからもずっと続いていくことだろう。

〔 くんちがあるけん唐津ったい! 〕
唐津神社の秋の神事「唐津くんち」は、唐津もんの血が騒ぐ地域あげての祭り。
11月3日~4日の2日間は、会社も休んでくんちにどっぷりハマる人、県外に出てしまっている人でも、盆正月は帰省しなくてもくんちの時だけは里帰りするという唐津っ子たちが、町を熱く熱く盛り上げる。
なかなか祭りを生で見に行けない人には、13台の曳山が一堂に展示された「曳山展示場」の見学をおすすめする。
一番古いもので江戸時代から補修を重ねて守り継がれてきた各町の大事な「曳山」。
向かいあうように展示されている曳山の他、曳山の歴史や祭りの概要がわかる映像が上映されている。
本番の唐津くんちに行けなかった人は、「曳山展示場」で唐津らしさを肌で感じてみよう。
唐津駅前のアーケード内には、かの有名な「川島豆腐店」もあり、朝食、夕食で名物のざる豆腐を堪能できる。
売店もあるので、唐津にきた証に購入するのもいい。
店の前のベンチに腰掛けて、あったかい豆乳を飲んだ。
濃厚で大豆の味がしっかりとする豆乳のおかげで、飲酒前に胃に膜張りができた気分♪
お菓子屋の老舗では、唐津くんちの瓦せんべいをゲット!
10㎝×20㎝くらいの縦長サイズというのも珍しいが、くんちの各町の曳山の絵が焼いてあるので、お土産にはもってこい。
そろそろ、お店に行くとしよう。
今回の店選びは、唐津の酒が飲める店をテーマに色々と情報を集めてみた。
ほどよい予算でお酒と地元の食が楽しめる店として、複数の人から名前が挙がった店を訪ねることに決めた。
天狗茶屋である。

アーケードを出て、1分くらいのところにあるので、分かりやすい。
シゲル:曳山展示場で曳山ば見たぎ、やっぱい本番にも行きとうなってきたよ。

みずえ:さっき、鳴滝酒造の古館社長が「くんちの時に遊びにおいで」って言いよんさったけん、今年は、くんちを見に行こうか?

シゲル:町の人達の勢いの伝わってくるやろうね。ここらへんはみんな「太閤」やけんね。

みずえ:地元に馴染んでいるから、他のお酒は対抗できませんね?

しょうもない話をしているうちに、店の前に着いた。
看板に描かれた天狗の高い鼻は丸みがあり、親しみがもてる。

店に入ると、掘り炬燵式の個室に案内してもらった。
空腹もピークに達していたので、早速メニューを開き、何を頼むか思案する。


唐津に来たと実感できるようなものがいいと、
川島豆腐のざる豆腐、
藤川蒲鉾の 魚ロッケ、
くじらの竜田揚げ
を注文した。
そして、刺身もネ。
酒肴には、唐津の日本酒ということで、唐津2蔵の酒を探す。
「万齢 特別純米」と「瀧 特別純米」がメニューに載っている。
唐津の酒はこれで揃った。

ほろよいセットなるものがあり、日本酒3種を飲み比べできるセットがあったので、唐津の酒に他の佐賀酒もプラスして、注文した。
酒肴がテーブルに揃っていく。
日本酒が入った器からは、液体がどんどん減っていくと同時に、いい心地になっていく。

いつもの幸せの図式だ。


川島豆腐店のざる豆腐や藤川蒲鉾の魚ロッケは、唐津フードの王道ともいえる食べ物で、観光客はまず押さえておきたいアイテムといえる。
ほろ酔い状態になって、今度は地元の人が愛してやまない味を飲みたくなった。

「太閤 上撰」。
これは熱燗でお願いしよう。

湯気と共に広がる酒の香りに、曳山展示場でみたくんちの映像が脳裏に浮かんできた。
美味しい唐津のお酒と肴を飲むほどに、今宵も酔いが回る。

今夜も最高。

唐津さいこう!
佐賀さいこう!
佐賀県を代表する観光地でもある唐津を探訪したことで、
佐賀酒探訪記は全ての市を巡ることができた。
酒が大好きなシゲルとみずえ。
加えて、食べることも、名所を見ることも大好き。


やはり、その周辺を回ったり、地元の店の美味しい酒肴と酒を一緒に楽しむことが「酒探訪」といえるのではないだろうか。

======
■曳山展示場
唐津市西城内6-33
0955-73-4361
9:00~17:00
休 唐津くんち巡行(11月3日、4日)
12月第1火水曜、12月29日~31日
入場料 300円
駐 あり
■天狗茶屋
唐津市紺屋町1670
0955-74-4955
17:30~23:00(OS22:30)
休 不定休
本日の注文
ほろ酔いセット 734円
魚ロッケ 270円
くじら竜田揚げ 864円
ざる豆腐 410円
本日の刺身盛り、つくね串、鯛茶漬けなど
二人で6230円
■鳴滝酒造
唐津市神田3272-1
0955-74-3125
(了)
唐津市探訪<その1>へ
(執筆:みずえ,挿絵:シゲル)
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2017年03月30日
第十回、唐津市探訪<その1>
~厳木~相知~鏡山~高島~唐津焼工房~
シゲルとみずえの佐賀酒探訪記!もとうとう最終回。

ラストを飾るのは、「唐津」。
玄界灘の海の幸、唐津くんちに唐津焼…と見どころ、魅力いっぱいの唐津エリアを探訪してみるとしよう。
〔 厳木で評判の「海鮮丼」に昼酒! 〕

平成の市町村合併で、厳木町(きゅうらぎまち)、相知町(おうちちょう)、浜玉町、七山村が新たに加わり、広くなった唐津市。
佐賀市を出発して約40分、唐津市の玄関口にあたる厳木に、美味しい海鮮丼を出す店があるという噂を聞きつけたので行ってみることに。
今回も、佐賀県酒造組合のイケメン古川氏の同行のおかげで、海鮮丼に佐賀の酒、という組み合わせが可能に…。

さて、どんなお酒と出会えるやら。
国道203号線の「町切」(ちょうぎり)交差点を左折して、少し走ったところにある
「寿司・割烹きたむら」。

元々は鮮魚店を営んでいたというこの店、魚屋の看板だけはその跡を残し、今は三代目が店を切り盛りしている。
店の開店とほぼ同時に入店して、三人とも噂の海鮮丼を注文した。
酒メニューを見てみると、さすがは唐津、厳木のお隣、相知町の「万齢」が置いてある。
天山や東鶴、東長のお酒もあった。
せっかくなので、東長の上撰と天山の上撰をオーダー。
ほどなくして出てきた海鮮丼に三人一様に目を丸くした。
「すごいボリューム!! 魚も活きがいいね!」



写真の海鮮丼でなんと平日のランチ限定で864円(税込)。
ご主人の北村さんは、「自分が食べたいと思う海鮮丼をお出ししています
」と言う。
お酒は、まるでサービスのようになみなみと注がれるが、それが、お店では普通の量。

魚好きも酒好きも集まる人気店なのだ。
〔 厳木のお隣といえば・・・「小松酒造」 〕

厳木の隣りの相知町に入った。
相知と言えば「万齢」の蔵元小松酒造がある。
シゲル:「相知」といえば、蔵開きの時には「お家」のようにまったりと酒友と飲んでいる「万齢」の蔵のあるやんね。
みずえ:あ、ちょうど通るところですよー。この季節は、菜の花のきれいかですね。
シゲル:ちょろっと酔って、いんにゃ、寄っていくね?
みずえ:ホントは寄りたいけど、先があるので、今回はあきらめましょう。
シゲル:
船の予定がなかったら立ち寄りたかったが、残念。
さて、小松酒造で3月12日に開催された蔵開きでは、開始前からずらりとお客さんが並び、限定酒が早い時間に完売し、かなり盛況だったらしい。
「相知にわざわざ足を運んでくれるから」
と、蔵元の心づかいで、毎回、20種類ほどの無料試飲ができるのも、酒ファンがほうっておけない理由だろう。

別の日に撮影した「万齢」小松社長とシゲルのツーショット。
〔 唐津と言えば海。海が見える鏡山へ登ろう~♪ 〕

鏡山入口から上へ上へと車を走らせる。
木々の合間から、ちらっ、ちらっと虹の松原と海が見えてくると、普段とは違う景色を見て、しばし解放感に浸る。

海っていいね。
久しぶりに登った鏡山に立ち、唐津に来たことを実感する。
鏡山は、標高284メートル、万葉集にも詠まれ、数々の伝説も残されている。
その一つは、悲恋伝説として知られる松浦佐用姫の伝説。

こちら、厳木の道の駅「風のふるさと館」に建つ佐用姫像
佐用姫が、朝鮮半島へと出兵する大伴狭手彦への愛慕のあまり、この場所から領布を振って別れを惜しんだという伝説から、鏡山は「領布振山」(ひれふりやま)とも言われている。
「愛」に溢れた場所だからか、ハートの形をしたモニュメントが新しくできていた。
一番上のハートに手を当てるとよいらしい。

この二人が並んで触ってもねぇ、、、(笑)
願掛けに出かけてみたらいかが?
〔 宝くじ 持ってないのに 高島へ 〕

鏡山に登って虹の松原と海、台形に浮かぶ島を見て、唐津に来たことを実感。
この場所から次に私たちが行く場所を指さし確認、唐津城のほうへと向かった。
厳木、相知と進んできた行程を急いでいたのは、高島へ渡るための船に乗るためだった。

唐津城は、豊臣秀吉が家臣・寺沢広高が建てた城で1602年から7年もの歳月をかけて築城した。
玄界灘をバックに凛とした姿を見せる現在の唐津城は、観光用に造られた唐津観光のシンボル的存在、模擬天守閣はフォト撮影にもおすすめ。


台座のような形をした高島へ着いた。

宝くじを持ってもいないのに、高島へ。
宝くじの高額当選も実現したというパワースポットに、足を踏み入れてみたかったのだ。
港の入り口に建つ漁協を抜けると、宝くじ開運グッズの直売所がある。
店には、「これで3億円分!」と展示された一万円札大にカットされた紙幣もどきが、、、。
手に入れられるはずのない3億円の感覚をつかむことができる。

見どころは、島の氏神塩屋神社や、宝当神社などがあり、駆け足でまわれば、40分ほどで港にまた戻ってこれる。
1日6便しか出ていないので、一つ逃せばけっこうなタイムロスになるので、我々も急ぎ足で島を歩いた。

ここで気になるのは、猫の多さと、そして、野崎姓が多いという噂。
みずえは、島で宝当神社の巫女さん、店にいた人、船のスタッフさんに「名字は?」と尋ねてみたら、3人とも「野崎さん」だった。


今から約、450年ほど前、肥前草野家の家臣で、高島に移り住んだ野崎隠岐守綱吉が、島を襲撃してきた盗賊を撃退して英雄としてあがめられ、それからというもの、島民はみな「野崎」を名乗るようになったという。
道を歩けば、猫にあたる、といってもいいほどに、ニャンコがのんびりと昼寝したりして寛いでいる。


宝当神社では、シゲルさんがカワイイおみくじをひいた。

今年も「当たり」な年になりますように、と願掛けでもしたのだろうか。
唐津の市街地から8分足らずの船旅で不思議に出逢えた。

〔 山全体がギャラリー。隆太窯で自然に触れ癒される 〕

「唐津焼」といえば、
「一楽二萩三唐津」
と言われるほど、茶道においては名高い焼き物の一つで、1580年ごろ、唐津岸岳城(きしたけじょう)城主波多氏の領地で焼かれたのが始まりとされている。
温かみのある陶器ゆえに、酒器の作品も多い。
「唐津焼」に触れるために、陶房を訪ねることにした。
向かった先は、市街から山手の方へ。
今日は山に囲まれた「隆太窯」へ行ってみることにした。

隆太窯は、十二代太郎右衛門(無庵)の五男 中里隆さんの「隆」と、十二代太郎右衛門の「太」から名付けられた。
山を切り開いた場所に、ギャラリーと工房がある。

葉が風に揺れる音や小川のせせらぎが心地よく、棚田を背景にした美しい光景もまるごとギャラリーのようなロケーション。

中里親子の作品が見られるギャラリーには、皿や湯のみ、酒器などが展示・販売されている。
ケースには酒器も並び、手のひらにすうっと馴染む風合いに、楽しく呑む光景が浮かぶ。
「今日は作陶していますよー、工房もどうぞー」

とお店の方に勧めていただき、ギャラリーから下って工房へ。
おそるおそる扉を開けると、中里太亀さんが作陶されていた。

一般客も入っていいようにしているところにも驚くが、見学者にとっては、陶芸家の一挙手一投足を目の当たりにできるなんて、たまらない時間だ。
唐津の地で唐津焼に触れ、極上の旅をしている気分になってきた。
次はいよいよ、唐津のお酒と美味しい料理をいただく。
お楽しみに。
■活魚・仕出し・お食事処 きたむら
唐津市厳木町岩屋1001-3
0955-63-2015
休 月曜
駐車場 あり(岩屋郵便局前)
海鮮丼 864円(平日のみのサービス価格)
佐賀の酒 天山上撰 324円
金紋東長 本醸造 324円
■定期船 ニューたかしま
片道210円
唐津市漁業協同組合 0955-73-2662
■隆太窯
唐津市見借4333-1
0955-74-3503
9:00~17:00
休 水曜
要問合せ
■小松酒造
唐津市相知町千束1489
0955-62-2408
【つづく】
唐津市探訪<最終回>へ
(執筆:みずえ,挿絵:シゲル)
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ラストを飾るのは、「唐津」。
玄界灘の海の幸、唐津くんちに唐津焼…と見どころ、魅力いっぱいの唐津エリアを探訪してみるとしよう。

〔 厳木で評判の「海鮮丼」に昼酒! 〕

平成の市町村合併で、厳木町(きゅうらぎまち)、相知町(おうちちょう)、浜玉町、七山村が新たに加わり、広くなった唐津市。
佐賀市を出発して約40分、唐津市の玄関口にあたる厳木に、美味しい海鮮丼を出す店があるという噂を聞きつけたので行ってみることに。
今回も、佐賀県酒造組合のイケメン古川氏の同行のおかげで、海鮮丼に佐賀の酒、という組み合わせが可能に…。


さて、どんなお酒と出会えるやら。

国道203号線の「町切」(ちょうぎり)交差点を左折して、少し走ったところにある
「寿司・割烹きたむら」。
元々は鮮魚店を営んでいたというこの店、魚屋の看板だけはその跡を残し、今は三代目が店を切り盛りしている。
店の開店とほぼ同時に入店して、三人とも噂の海鮮丼を注文した。
酒メニューを見てみると、さすがは唐津、厳木のお隣、相知町の「万齢」が置いてある。
天山や東鶴、東長のお酒もあった。
せっかくなので、東長の上撰と天山の上撰をオーダー。
ほどなくして出てきた海鮮丼に三人一様に目を丸くした。

「すごいボリューム!! 魚も活きがいいね!」



写真の海鮮丼でなんと平日のランチ限定で864円(税込)。
ご主人の北村さんは、「自分が食べたいと思う海鮮丼をお出ししています

お酒は、まるでサービスのようになみなみと注がれるが、それが、お店では普通の量。
魚好きも酒好きも集まる人気店なのだ。

〔 厳木のお隣といえば・・・「小松酒造」 〕
厳木の隣りの相知町に入った。
相知と言えば「万齢」の蔵元小松酒造がある。
シゲル:「相知」といえば、蔵開きの時には「お家」のようにまったりと酒友と飲んでいる「万齢」の蔵のあるやんね。

みずえ:あ、ちょうど通るところですよー。この季節は、菜の花のきれいかですね。
シゲル:ちょろっと酔って、いんにゃ、寄っていくね?

みずえ:ホントは寄りたいけど、先があるので、今回はあきらめましょう。

シゲル:

船の予定がなかったら立ち寄りたかったが、残念。
さて、小松酒造で3月12日に開催された蔵開きでは、開始前からずらりとお客さんが並び、限定酒が早い時間に完売し、かなり盛況だったらしい。
「相知にわざわざ足を運んでくれるから」
と、蔵元の心づかいで、毎回、20種類ほどの無料試飲ができるのも、酒ファンがほうっておけない理由だろう。
別の日に撮影した「万齢」小松社長とシゲルのツーショット。
〔 唐津と言えば海。海が見える鏡山へ登ろう~♪ 〕
鏡山入口から上へ上へと車を走らせる。
木々の合間から、ちらっ、ちらっと虹の松原と海が見えてくると、普段とは違う景色を見て、しばし解放感に浸る。
海っていいね。

久しぶりに登った鏡山に立ち、唐津に来たことを実感する。
鏡山は、標高284メートル、万葉集にも詠まれ、数々の伝説も残されている。
その一つは、悲恋伝説として知られる松浦佐用姫の伝説。
こちら、厳木の道の駅「風のふるさと館」に建つ佐用姫像
佐用姫が、朝鮮半島へと出兵する大伴狭手彦への愛慕のあまり、この場所から領布を振って別れを惜しんだという伝説から、鏡山は「領布振山」(ひれふりやま)とも言われている。
「愛」に溢れた場所だからか、ハートの形をしたモニュメントが新しくできていた。
一番上のハートに手を当てるとよいらしい。

この二人が並んで触ってもねぇ、、、(笑)
願掛けに出かけてみたらいかが?

〔 宝くじ 持ってないのに 高島へ 〕
鏡山に登って虹の松原と海、台形に浮かぶ島を見て、唐津に来たことを実感。
この場所から次に私たちが行く場所を指さし確認、唐津城のほうへと向かった。
厳木、相知と進んできた行程を急いでいたのは、高島へ渡るための船に乗るためだった。
唐津城は、豊臣秀吉が家臣・寺沢広高が建てた城で1602年から7年もの歳月をかけて築城した。
玄界灘をバックに凛とした姿を見せる現在の唐津城は、観光用に造られた唐津観光のシンボル的存在、模擬天守閣はフォト撮影にもおすすめ。


台座のような形をした高島へ着いた。

宝くじを持ってもいないのに、高島へ。
宝くじの高額当選も実現したというパワースポットに、足を踏み入れてみたかったのだ。

港の入り口に建つ漁協を抜けると、宝くじ開運グッズの直売所がある。
店には、「これで3億円分!」と展示された一万円札大にカットされた紙幣もどきが、、、。
手に入れられるはずのない3億円の感覚をつかむことができる。

見どころは、島の氏神塩屋神社や、宝当神社などがあり、駆け足でまわれば、40分ほどで港にまた戻ってこれる。
1日6便しか出ていないので、一つ逃せばけっこうなタイムロスになるので、我々も急ぎ足で島を歩いた。

ここで気になるのは、猫の多さと、そして、野崎姓が多いという噂。
みずえは、島で宝当神社の巫女さん、店にいた人、船のスタッフさんに「名字は?」と尋ねてみたら、3人とも「野崎さん」だった。

今から約、450年ほど前、肥前草野家の家臣で、高島に移り住んだ野崎隠岐守綱吉が、島を襲撃してきた盗賊を撃退して英雄としてあがめられ、それからというもの、島民はみな「野崎」を名乗るようになったという。

道を歩けば、猫にあたる、といってもいいほどに、ニャンコがのんびりと昼寝したりして寛いでいる。
宝当神社では、シゲルさんがカワイイおみくじをひいた。
今年も「当たり」な年になりますように、と願掛けでもしたのだろうか。

唐津の市街地から8分足らずの船旅で不思議に出逢えた。
〔 山全体がギャラリー。隆太窯で自然に触れ癒される 〕
「唐津焼」といえば、
「一楽二萩三唐津」
と言われるほど、茶道においては名高い焼き物の一つで、1580年ごろ、唐津岸岳城(きしたけじょう)城主波多氏の領地で焼かれたのが始まりとされている。
温かみのある陶器ゆえに、酒器の作品も多い。
「唐津焼」に触れるために、陶房を訪ねることにした。
向かった先は、市街から山手の方へ。
今日は山に囲まれた「隆太窯」へ行ってみることにした。
隆太窯は、十二代太郎右衛門(無庵)の五男 中里隆さんの「隆」と、十二代太郎右衛門の「太」から名付けられた。
山を切り開いた場所に、ギャラリーと工房がある。
葉が風に揺れる音や小川のせせらぎが心地よく、棚田を背景にした美しい光景もまるごとギャラリーのようなロケーション。
中里親子の作品が見られるギャラリーには、皿や湯のみ、酒器などが展示・販売されている。
ケースには酒器も並び、手のひらにすうっと馴染む風合いに、楽しく呑む光景が浮かぶ。
「今日は作陶していますよー、工房もどうぞー」

とお店の方に勧めていただき、ギャラリーから下って工房へ。
おそるおそる扉を開けると、中里太亀さんが作陶されていた。

一般客も入っていいようにしているところにも驚くが、見学者にとっては、陶芸家の一挙手一投足を目の当たりにできるなんて、たまらない時間だ。

唐津の地で唐津焼に触れ、極上の旅をしている気分になってきた。

次はいよいよ、唐津のお酒と美味しい料理をいただく。
お楽しみに。
■活魚・仕出し・お食事処 きたむら
唐津市厳木町岩屋1001-3
0955-63-2015
休 月曜
駐車場 あり(岩屋郵便局前)
海鮮丼 864円(平日のみのサービス価格)
佐賀の酒 天山上撰 324円
金紋東長 本醸造 324円
■定期船 ニューたかしま
片道210円
唐津市漁業協同組合 0955-73-2662
■隆太窯
唐津市見借4333-1
0955-74-3503
9:00~17:00
休 水曜
要問合せ
■小松酒造
唐津市相知町千束1489
0955-62-2408
【つづく】
唐津市探訪<最終回>へ
(執筆:みずえ,挿絵:シゲル)
ご意見や佐賀酒アンバサダーへのメッセージなどお待ちしております。
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2017年03月17日
第九回、多久・小城探訪<最終回>
〔 OGI YOU CAN ! 〕
~アイもコイもよう噛んで!笑~

小城市に入った。
小城といえば、
「九州の小京都」
と呼ばれるほどに、緑豊かで清らかな水と佐賀の秀峰天山の美しい風景が魅力的な町である。

かつては、佐賀鍋島藩の支藩小城鍋島家が統治しており、桜の名所小城公園の周辺には、城下町の面影もどことなく残る。
まずは小城の街を散策。

小城公園の敷地にある「岡山神社」は、パワースポットとして知る人ぞ知る場所。

パワーを注入して、ご神木にも手をあてて、深呼吸した。
寒気が戻って、冬のようだったこの日はひっそりとしていたが、桜のシーズンになると、露店が並び、提灯や灯籠の灯りに桜の花びらが浮かび上がり、幻想的な景色が広がる。
これは夜のお話だけど。
そう、
小城といえば羊羹。
JR小城駅から須賀神社へと続く道を中心に、小城には20数軒の羊羹屋が軒を連ねる。

砂糖が手に入りにくかった時代からシュガーロード小城では羊羹が製造されていた。
佐賀県民は佐賀市が羊羹消費日本一(総務省の家計調査で日本一は佐賀市。家計調査は県庁所在市のみ実施)にも輝いたことがあるほどの羊羹好きなのだ。
観光で小城に訪れた人におすすめの場所がある。
須賀神社の登り口のところにある村岡総本舗には、羊羹資料館が併設されており、昔の羊羹づくりの道具や包装紙、映像などが見学できる。
そして、嬉しいことに、見学後は、抹茶と羊羹の振る舞いサービスもしてくれる。

店舗では色々な商品を試食しながらお気に入りをお土産に買って帰ろう。
みずえは外側が固い昔羊羹とパイ生地にあんこが入ったパイ饅頭気球船、どら焼きではなくとら焼宗歓が大好きだ。
小城には、
天山酒造
と
小柳酒造
2つの蔵元があり、蔵に寄ってみることにした。
天山酒造は、祇園川沿いに上流に走っていくと、煙突が見えてくる。

美しい河川敷では、春には菜の花が咲き、春と秋に開かれる蔵開きでは、川沿いに場所をとり、お酒や酒肴を楽しむ姿が見られる。
いつでも見ることができるギャラリーや売店もある。


小柳酒造は、小城祇園夏祭りの須賀神社に向かうメインストリート沿いにあり、通りに面したところに売店がある。



3月18日(土)には、両蔵とも蔵開きが開催されるので、訪ねてみては?(平成29年3月18日)
さて、鯉が来いと言っている声が聞こえたような気がしたので、清水に上っていくことにしよう。
清水の滝入り口より少し上に上ると、不思議なスポットを発見。
飛行機が墜落している現場や、大きなゴリラが鎮座している。
なんじゃこりゃ!?
シゲルさんに立ってもらい、ゴリラのサイズ感を表現してみる(笑)

シゲル:こりゃー、私はなんなのさー!!

さあ、今宵は冬の鯉料理をいただいて、濃い時間を過ごそうかね。

小城っ子みずえにとっては、子どもの頃から親しんできた「アイ」が気になって、胃袋が求めているのである。
日本の名水百選にも選ばれた「清水の滝」の近くには、鯉料理を出す店が並んでいる。
小城は、鯉料理が有名で、涼を求めて夏場に食べる鯉に注目が集まるが、実は、「寒鯉」といって、冬場の身が締まり脂がのった鯉もまた旨い、と町をあげて冬場の鯉を体験してほしいと情報発信を頑張っているのだ。
シゲル:コイとかどれくらいぶりやろうかー? もう、忘れたよ。
みずえ:もうコイだのアイだの言うお年頃じゃないですもんねー?!
シゲル:なんば言いよっこ。
アイもコイも好いとおよ。
食ぶっ鯉も久しぶりよー。
みずえ:私は、毎年コイしてますけど、冬場の鯉は、初めてです。楽しみですね、コイしましょ♡
シゲル:ややこしかばってん、コイにしゅー!!
お邪魔したのは、鯉しげ。
黄色い外観が目印だ。
鯉料理で欠かせないのは、
「鯉のあらい」、

そして、冬場は
「鯉の刺身」!!

これが気になってしょうがなかった。鯉の刺身とは?
「通常、鯉は清水でさらして、あらいにして食べるのが普通ですが、冬の時期の鯉は、脂がのって、身もプリプリして本当においしいんです。刺身で提供できる時期だけ刺身でもお出ししています」
とは跡取りの江里口 大さん。

鯉の刺身が出てきた。
今まで出会った鯉の色とは違う!「え、どんな味なの?!」
それは、食べんとわからん、わからん。
初めての鯉の刺身は、脂がのったオトナの味。
酢醤油ではなく、刺身醤油でいただくのだが、臭みもなく、お魚のお刺身そのもの。
鯉といわれなければ分からない。
いいタイミングで小城に来たなーとつくづく思った。
この季節限定の「鯉の白子刺し」もオーダーした。

これもまた、プルプルの贅沢品といった感じ。
白子は、鯉こくの中に入ったものをいただくのが通例だったが、白子を生でいただけたことに、
寒鯉さいこう~♪
と思わず叫んだ。
冷たいものばかりではない。
鯉のあんかけというものもある。
鯉の唐揚げに、とろ~り餡がかかったあったかメニューも鯉料理の一つ。

鯉はあらいだけでなく、バラエティ豊かに愉しめるのだ。

地元小城の酒蔵、小柳酒造と天山酒造。
この二蔵のお酒を鯉料理とともに堪能した。
冷酒としては300mlの飲みきりが用意されており、お燗用には、地元の人が親しんで飲んでいる上撰がメニューに記載されている。
飲みきりの瓶とお燗酒とオーダーした。

二人にしては、結構な量になったので、身体もポッカポカ、胃袋もMAXに。



ハンドルキーパーがいない私たちは、タクシーを呼んでもらい、小城駅へと向かった。
路線バスがないのが不便だが、鯉料理屋さんからは、だいたい1500円前後で駅まで行ける。
店によっては人数次第で送迎もあるので、鯉料理と小城の酒を楽しみに出かける場合は、お店に相談してみよう。
■鯉しげ
小城市小城町松尾2261
0952-72-2008
11:00~21:30(O.S19:30)、日曜・祝日は~21:00(O.S19:00)
休 木曜(祝日除く)
この日のお品書き
鯉のあらい 2~3人前3000円
鯉のあんかけ 2~3人前 3000円
寒鯉の白子刺 300円
寒鯉の刺身 (鯉まつりのふるまい)
日本酒
小柳酒造 城の泉 800円
天山酒造 蛍酔 800円
高砂上撰(熱燗) 300円
■天山酒造
小城市小城町岩蔵1520
0952-73-3141
■小柳酒造
小城市小城町903
0952-73-2003
(了)
多久・小城探訪<その1>へ
多久・小城探訪<その2>へ
(執筆:みずえ,挿絵:シゲル)
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小城といえば、
「九州の小京都」
と呼ばれるほどに、緑豊かで清らかな水と佐賀の秀峰天山の美しい風景が魅力的な町である。


かつては、佐賀鍋島藩の支藩小城鍋島家が統治しており、桜の名所小城公園の周辺には、城下町の面影もどことなく残る。
まずは小城の街を散策。

小城公園の敷地にある「岡山神社」は、パワースポットとして知る人ぞ知る場所。

パワーを注入して、ご神木にも手をあてて、深呼吸した。
寒気が戻って、冬のようだったこの日はひっそりとしていたが、桜のシーズンになると、露店が並び、提灯や灯籠の灯りに桜の花びらが浮かび上がり、幻想的な景色が広がる。
これは夜のお話だけど。

そう、
小城といえば羊羹。
JR小城駅から須賀神社へと続く道を中心に、小城には20数軒の羊羹屋が軒を連ねる。

砂糖が手に入りにくかった時代からシュガーロード小城では羊羹が製造されていた。
佐賀県民は佐賀市が羊羹消費日本一(総務省の家計調査で日本一は佐賀市。家計調査は県庁所在市のみ実施)にも輝いたことがあるほどの羊羹好きなのだ。
観光で小城に訪れた人におすすめの場所がある。

須賀神社の登り口のところにある村岡総本舗には、羊羹資料館が併設されており、昔の羊羹づくりの道具や包装紙、映像などが見学できる。
そして、嬉しいことに、見学後は、抹茶と羊羹の振る舞いサービスもしてくれる。


店舗では色々な商品を試食しながらお気に入りをお土産に買って帰ろう。

みずえは外側が固い昔羊羹とパイ生地にあんこが入ったパイ饅頭気球船、どら焼きではなくとら焼宗歓が大好きだ。

小城には、
天山酒造
と
小柳酒造
2つの蔵元があり、蔵に寄ってみることにした。
天山酒造は、祇園川沿いに上流に走っていくと、煙突が見えてくる。

美しい河川敷では、春には菜の花が咲き、春と秋に開かれる蔵開きでは、川沿いに場所をとり、お酒や酒肴を楽しむ姿が見られる。
いつでも見ることができるギャラリーや売店もある。


小柳酒造は、小城祇園夏祭りの須賀神社に向かうメインストリート沿いにあり、通りに面したところに売店がある。



3月18日(土)には、両蔵とも蔵開きが開催されるので、訪ねてみては?(平成29年3月18日)
さて、鯉が来いと言っている声が聞こえたような気がしたので、清水に上っていくことにしよう。
清水の滝入り口より少し上に上ると、不思議なスポットを発見。
飛行機が墜落している現場や、大きなゴリラが鎮座している。
なんじゃこりゃ!?
シゲルさんに立ってもらい、ゴリラのサイズ感を表現してみる(笑)
シゲル:こりゃー、私はなんなのさー!!


さあ、今宵は冬の鯉料理をいただいて、濃い時間を過ごそうかね。


小城っ子みずえにとっては、子どもの頃から親しんできた「アイ」が気になって、胃袋が求めているのである。

日本の名水百選にも選ばれた「清水の滝」の近くには、鯉料理を出す店が並んでいる。
小城は、鯉料理が有名で、涼を求めて夏場に食べる鯉に注目が集まるが、実は、「寒鯉」といって、冬場の身が締まり脂がのった鯉もまた旨い、と町をあげて冬場の鯉を体験してほしいと情報発信を頑張っているのだ。

シゲル:コイとかどれくらいぶりやろうかー? もう、忘れたよ。

みずえ:もうコイだのアイだの言うお年頃じゃないですもんねー?!

シゲル:なんば言いよっこ。



みずえ:私は、毎年コイしてますけど、冬場の鯉は、初めてです。楽しみですね、コイしましょ♡

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お邪魔したのは、鯉しげ。
黄色い外観が目印だ。
鯉料理で欠かせないのは、
「鯉のあらい」、

そして、冬場は
「鯉の刺身」!!

これが気になってしょうがなかった。鯉の刺身とは?
「通常、鯉は清水でさらして、あらいにして食べるのが普通ですが、冬の時期の鯉は、脂がのって、身もプリプリして本当においしいんです。刺身で提供できる時期だけ刺身でもお出ししています」
とは跡取りの江里口 大さん。

鯉の刺身が出てきた。
今まで出会った鯉の色とは違う!「え、どんな味なの?!」

それは、食べんとわからん、わからん。

初めての鯉の刺身は、脂がのったオトナの味。
酢醤油ではなく、刺身醤油でいただくのだが、臭みもなく、お魚のお刺身そのもの。
鯉といわれなければ分からない。
いいタイミングで小城に来たなーとつくづく思った。

この季節限定の「鯉の白子刺し」もオーダーした。

これもまた、プルプルの贅沢品といった感じ。

白子は、鯉こくの中に入ったものをいただくのが通例だったが、白子を生でいただけたことに、
寒鯉さいこう~♪
と思わず叫んだ。

冷たいものばかりではない。
鯉のあんかけというものもある。
鯉の唐揚げに、とろ~り餡がかかったあったかメニューも鯉料理の一つ。

鯉はあらいだけでなく、バラエティ豊かに愉しめるのだ。

地元小城の酒蔵、小柳酒造と天山酒造。
この二蔵のお酒を鯉料理とともに堪能した。
冷酒としては300mlの飲みきりが用意されており、お燗用には、地元の人が親しんで飲んでいる上撰がメニューに記載されている。
飲みきりの瓶とお燗酒とオーダーした。

二人にしては、結構な量になったので、身体もポッカポカ、胃袋もMAXに。




ハンドルキーパーがいない私たちは、タクシーを呼んでもらい、小城駅へと向かった。
路線バスがないのが不便だが、鯉料理屋さんからは、だいたい1500円前後で駅まで行ける。
店によっては人数次第で送迎もあるので、鯉料理と小城の酒を楽しみに出かける場合は、お店に相談してみよう。

■鯉しげ
小城市小城町松尾2261
0952-72-2008
11:00~21:30(O.S19:30)、日曜・祝日は~21:00(O.S19:00)
休 木曜(祝日除く)
この日のお品書き
鯉のあらい 2~3人前3000円
鯉のあんかけ 2~3人前 3000円
寒鯉の白子刺 300円
寒鯉の刺身 (鯉まつりのふるまい)
日本酒
小柳酒造 城の泉 800円
天山酒造 蛍酔 800円
高砂上撰(熱燗) 300円
■天山酒造
小城市小城町岩蔵1520
0952-73-3141
■小柳酒造
小城市小城町903
0952-73-2003
(了)
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